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Advanced colonic cancer with clinically suspected bladder invasion: Outcomes and prognosis from a multicentric study of 117 patients from the FRENCH research group.

雑誌:Surgery

発行年:2020年11月

PMID: 32771298

結腸癌による膀胱浸潤はまれだが、その治療法については未だ議論がある。 臨床的に膀胱浸潤が疑われた結腸癌症例の治療成績と、局所再発のリスク因子を同定するため、フランスの23施設で後ろ向き研究を実施した。2010年から2017年に膀胱切除を伴う結腸癌手術を受けた全ての患者を対象とした。対象患者は117名(男性73名)、108名(92.3%)に膀胱部分切除、9名(7.7%)に膀胱全摘が施行された。術前化学療法は31名(26.5%)に施行された。合併症率は20.5%、根治切除率は87.2%だった。病理学的に膀胱浸潤が確認されたのは47%だった。34名が病理学的にリンパ節転移陽性、60名(51.3%)が術後補助化学療法を受けた。フォロー期間中央値は33.8ヶ月。3年OS(全生存率)、DFS(無再発生存率)はそれぞれ82.9%、59.5%だった。局所再発率は14.5%、遠隔再発率は18.8%だった。 局所再発の65%(11/17)は膀胱に認めた。4例は初回手術で病理学的に膀胱浸潤を認めなかったにもかかわらず、膀胱再発を認めた。病理学的に膀胱浸潤が確認された症例における膀胱再発率は13%(7/55)だった。初回に膀胱浸潤がない症例の膀胱再発率は7%(4/62)(P値=0.343)であった。 術前、術後療法や膀胱切除の術式は局所再発率に影響しなかった(P>0.445)。 R1膀胱切除はR0膀胱切除に比べて膀胱再発率が高かった(63%vs10%;P<0.0001)。

臨床的に膀胱浸潤が疑われた症例では、病理学的に膀胱浸潤が確認されない場合でも局所再発率が高い。 R0切離マージンを確保した根治切除だけが局所再発率を減少させた。 病理学的に膀胱浸潤がなかった症例に対しても、注意深い詳細な術後調査が要求される。

宮城 良浩先生

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