抄読会を行いました。
Cytoreductive surgery plus hyperthermic intraperitoneal chemotherapy versus cytoreductive surgery alone for colorectal peritoneal metastasies(PRODIGE7): a multicentre, randomised, open-label phase 3 trial
雑誌:Lancet Oncol 2021; 22: 256-66
PMID:33476595
入職したての頃、HIPEC歴のある腸閉塞患者を診療した経験があり、そこで初めてHIPECを知りました。そこからどういった治療なのか興味を持ち、今回HIPECがテーマの論文を選ばせていただきました。大腸癌腹膜播種はその他の部位への転移に比較して予後が不良とされ、これまで腹膜減量手術(CRS)やそれに加えて腹腔内温熱化学療法(HIPEC)を行うことが試みられてきた。本試験はCRS+HIPECとCRSを比較し、HIPECの有用性を比較する初めての無作為化第3相比較対照試験である。結果として腹膜播種を伴う大腸癌の治療としてCRS単独群と比較してCRS+HIPEC群でOSやRFSに有意差は見られなかった。CRS+HIPEC群での有害事象の増加が確認されており、現時点では大腸癌の腹膜播種に対するHIPECの施行は行うべきではないと考えられた。
6月30日 宇都宮 先生