抄読会を行いました。
2022.11/2 抄読会 担当;野村寛徳
論文名:Trastuzumab Deruxtecan in Previously Treated HER2-low Advanced Breast Cancer
雑誌:NEJM; 387 No1:July 7 2022, 9-20
PMID: 35665782
論文要旨:HER2 lowという新しい概念を取り入れ行われたDESTINY-Breast 04試験について発表した。 HER2 low とは免疫組織染色においてHER2 1+とHER2 2+(FISH陰性)を示すグループであり、これまではHER2陰性乳癌として分類されてきた。 しかしながらTrastuzumab Deruxtecan(商品名;エンハーツ)を使用したphase I試験においてはこのグループの患者にもそれなりに効果のあったことから、今回の転移再発乳癌に対しての前向き研究が行われた。 その結果PFS,OSともに延長しTrastuzumab Deruxtecan が転移再発HER2 lowのグループのkey drugであることが示された。本発表はASCOにおいてスタンディングオベーションを受けている。本研究よりこれまでluminal型やtriple negative型と分類されていた症例もHER2 0でなければTrastuzumab Deruxtecanの適応があることが示され、転移再発乳癌の約70~80%の症例に使用可能となったこととなる。