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2024年7月24日 抄読会 発表者:松田小弥太

論文名:Long-term Changes in Low Anterior Resection Syndrome in Survivors of Rectal Cancer: Longitudinal Follow-up of a Randomized Controlled Trial
雑誌:Dis Colon Rectum 2024 Jun 1;67(6):834-840.
PMID:38426539

論文要旨
 低位前方切除症候群(low anterior resection:LAR)としても知られる術後腸機能障害は直腸癌生存者によくみられ、QOLに大きな影響を与える。本論文では、直腸癌に対する術前治療(5-FU+術前照射 vs mFOLFOX6+術前照射 vs mFOLFOX6)の予後への影響を検証する多施設共同臨床試験(FOWARC RCT)において、症例登録が一番多かった単施設で、上記3つの群で低位前方切除術が施行された患者を対象として、術後の排便機能障害(低位前方切除後症候群:LARS)の3年以上の長期評価と機能予後を規定する因子についての検証が行われた。低前方切除症候群の直腸がんサバイバーのほとんどは、直腸切除後3年を超えても改善が続いていた。ネオアジュバントの放射線療法はLARSの長期的改善と負の相関を示した。今後、術前照射療法の位置付けが変化していくことが予想され、生命予後に加えて機能予後の観点からもその評価が必要である。

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