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2024年9月25日 抄読会 発表者:仲本 正哉

論文名:Risk Factors and Treatment of Chylothorax After Minimally Invasive Esophagectomy for Esophageal Cancer

雑誌:Cureus. 2024 July; 16(7); e65606. 
PMID: 39205723

論文要旨
 食道切除術後乳糜胸は稀だが生命を脅かす合併症であるが、その稀少性からリスク因子や適切な治療選択の研究が十分でない。この研究は東北大学病院で鏡視下食道切除術を受けた食道癌患者727人を対象に乳糜胸のリスク因子を検索するため、患者を術後乳糜胸の有無で2つのグループに分けて比較した。さらに手術、保存治療から手術へ転換、保存治療の3つのグループに分けて分析した。727人の患者中18人(2.5%)が乳糜胸を発症した。乳糜胸グループは平均BMIが低く(20.3 vs 21.9、p=0.057)、胸管切除の症例が多かった(33.3% vs 6.2%、p=0.001)。多変量解析により胸管切除がリスク因子として特定された。乳糜胸発症後2日目の排液量は手術グループで高かった(手術1405 ml vs 転換260 ml vs 保存310 ml、p=0.073)。手術グループは他のグループに比べて中央値の術後入院日数が最も短かった(手術21.5日 vs 転換102日 vs 保存グループ25.0日、p<0.001)。鏡視下食道切除術中の胸管切除は乳糜胸の独立したリスク因子だった。排液量が2日目に減少しない場合、早期手術により早期退院が可能と思われた。

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