抄読会を行いました。
2023年7月5日 抄読会 発表者:馬場徳朗
論文名: Predictors of survival following liver transplantation for pediatric hepatoblastoma and hepatocellular carcinoma: Experience from the Society of Pediatric Liver Transplantation (SPLIT).
雑誌:Am J Transplant. 2022 May;22(5):1396-1408.
PMID:34990053
論文要旨
北米におけるThe Society of Pediatric Liver Transplantation (SPLIT) データベースを用いて、肝芽腫または肝細胞癌に対する小児肝移植の予後、リスク因子、合併症について検索した。術後3年でのEFS(event free survival)は、肝芽腫で81%, 肝細胞癌で62%と良好な結果であった。特に肝芽腫においては、腫瘍の進展度は予後に影響を与えなかった。初回移植とサルベージ移植の術後3年のEFSは62% vs 78%と有意差はなく、サルベージ移植も治療選択肢となりうることが示された。腫瘍群と非腫瘍群の比較では、腫瘍群で細菌感染症、および腎機能障害の割合が有意に多かった。また、PRE/POSTTEXT I/IIの患者の割合が予想外に多かったことから、切除可能な肝腫瘍をより厳密に判別する必要があると考えられた。