「高齢者StageⅢ大腸癌に対する術後補助化学療法の現状調査(多施設共同観察研究)」について

2022年5月11日 第3版

1.はじめに

 この説明書は「高齢者Stage III大腸癌に対する術後補助化学療法の現状調査(多施設共同観察研究)」の内容について説明したものです。研究の内容は、研究に参加される方の権利を守るため、研究を実施することの適否について検討する倫理委員会(大腸癌研究会および順天堂大学、東京医科歯科大学、琉球大学)にて審査を受け承認を得ています。

2.研究組織

 本研究は大腸癌研究会化学療法委員会が行う研究として、多施設共同で実施されます。

●研究代表者:石川敏昭(順天堂大学 医学部腫瘍内科学研究室)

●研究事務局:石黒めぐみ(東京医科歯科大学 医療イノベーション推進センター)

●参加施設:大腸癌研究会会員施設のうち協力可能な施設(「研究参加施設一覧」参照)

3.研究の目的、意義

 根治切除を行ったStage III大腸癌の患者さんには、再発の抑制と生存期間の延長を目的に、術後補助化学療法を行うことが推奨されています。しかし、高齢患者さんに対する術後補助化学療法の有効性や安全性に関する情報は不足しています。本研究では、高齢者Stage III大腸癌の患者さんに、どのくらいの頻度で補助化学療法が行われ、どれほどの治療効果が得られているかを調べます。本研究によって、今後、高齢者に対する術後補助療法をどのように行ったら良いかを検討します。

4.研究の方法

 過去に行われた治療や治療成績に関するデータを解析する研究です。対象となる患者さんに、あらたに検査や治療を行うものではありません。

  •  対象となる患者さん

  2012年1月~2016年12月の間に根治的手術を受けられた、75歳以上のStage III大腸癌の患者さん

  •  利用する検体、カルテ情報

  カルテから過去の臨床情報(下記)を収集します。

● 臨床情報:

(1)患者さんの基本情報(年齢、性別、診断名、手術日)、(2)併存症の情報、

(3)手術内容、(4)補助化学療法前の検査結果、(5)補助化学療法施行の有無と

その内容、(6)副作用(有害事象)、(7)予後情報(再発・生存・死亡)

  • 研究期間

2024年1月17日(研究機関の長の許可日)〜 2025年12月31日

  • 個人情報の取扱い

利用する情報からは、お名前、住所など、患者さんを直接同定できる個人情報は削除し本研究固有の「症例識別番号」を付与し、データを提出します。研究参加施設からのデータは、本研究の関係者以外がアクセスできない状態で、研究事務局(東京医科歯科大学)に提供されます。その後、研究事務局より解析担当者(解析を担当する東京医科歯科大学)に解析用のデータが送られます。症例識別番号とそれぞれの患者さんとの対応表は各研究参加施設で保管・管理します。

  • 保管期間: 本研究の主たる結果公表時より10年間
  • 廃棄の方法:試料等は匿名化したうえでシュレッダー廃棄

電子データは復元不可能な状態に処理して廃棄

※各データ提供施設で保管している対応表を含む情報等については、各施設の研究責任者

が「個人情報管理責任者」となって管理し、本研究の主たる結果公表時より5年間保管

し、保管期間終了後に上記と同じ方法で廃棄します。

● データの二次利用について

現時点では取得した試料・情報を将来の研究に用いる予定はありません。本研究以外の

目的のために研究データを二次利用することが有益であると判断した場合は、あらためて

大腸癌研究会倫理委員会の承認を受けた上で利用します。

  •  研究結果

研究結果は学会や論文、ホームページ等で発表されます。この際、患者さんを特定できる

個人情報は利用しません。また、本研究の進捗は大腸癌研究会のホームページに公開され

ます(http://www.jsccr.jp)。UMINにも登録しています(UMIN000038965)。

5.研究資金および利益相反

本研究は、大腸癌研究会より支給される研究費を用いて行われ、特定の企業、営利団体からの資金提供はありません。本研究に関与する者は、利益相反に問題がないことについて各参加施設の規定に従い管理されています。

※利益相反とは、研究者が企業等から経済的な利益(謝金、研究費、株式等)の提供を受け、その利益の存在により臨床研究の結果に影響を及ぼす可能性がある状況のことをいいます。

6.問い合わせ先

 この研究の計画や方法について、より詳しくお知りになりたい場合、また、ご自身のカルテ情報を利用することをご了承できない場合など、お問い合わせがありましたら、以下の問い合わせ窓口へご連絡ください。なお、この研究に参加している他の方の個人情報や、研究の知的財産等は、お答えできない内容もありますのでご了承ください。

研究責任者

琉球大学 消化器・腫瘍外科学講座

高槻 光寿

研究分担者

琉球大学 消化器・腫瘍外科学講座

金城達也

◆研究事務局

東京医科歯科大学 医療イノベーション推進センター

石黒 めぐみ

TEL:03-5803-4730 FAX:03-5803-0396

研究参加施設一覧

 施設名
1旭川医科大学外科学講座消化器病態外科学分野
2札幌医科大学消化器・総合外科、乳腺・内分泌外科
3函館五稜郭病院外科
4弘前大学大学院医学研究科消化器外科学講座
5東北大学消化器外科
6宮城県立がんセンター外科
7山形県立中央病院外科
8秋田赤十字病院消化器病センター外科
9秋田大学医学系研究科消化器外科学講座
10栃木県立がんセンター外科
11自治医科大学消化器一般移植外科
12JAとりで総合医療センター外科
13筑波大学消化器内科
14日立製作所日立総合病院外科
15茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター消化器外科
16埼玉医科大学総合医療センター消化管・一般外科
17埼玉県立がんセンター消化器外科
18獨協医科大学埼玉医療センター第一外科
19秀和総合病院外科
20防衛医科大学校外科学講座
21国立がん研究センター東病院消化管内科
22千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
23千葉県がんセンター食道胃腸外科
24横浜市立大学附属病院消化器・腫瘍外科
25横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター外科
26北里大学医学部下部消化管外科
27神奈川県立がんセンター消化器外科
28東海大学医学部消化器外科
29帝京大学医学部附属溝口病院外科
30がん研有明病院消化器化学療法科
31がん・感染症センター都立駒込病院外科
32杏林大学消化器・一般外科
33東京慈恵会医科大学外科学講座
34東京大学腫瘍外科・血管外科
35東京都保健医療公社大久保病院外科
36東京都保健医療公社豊島病院外科
37日本医科大学付属病院外科
38国立がん研究センター中央病院消化管内科
39順天堂大学下部消化管外科
40昭和大学消化器・一般外科
41東京医科大学消化器・小児外科学
42東京医科歯科大学病院大腸・肛門外科
43福井大学医学部第一外科
44富山県立中央病院外科
45新潟県立がんセンター新潟病院外科
46山梨大学医学部第一外科
47静岡県立静岡がんセンター大腸外科
48聖隷浜松病院大腸肛門外科
49愛知県がんセンター病院薬物療法部
50藤田医科大学総合消化器外科
51名古屋市立大学消化器外科
52岐阜大学医学部附属病院消化器外科
53三重大学大学院医学系研究科臨床医学系講座消化管・小児外科学
54大阪国際がんセンター腫瘍内科
55近畿大学外科
56兵庫医科大学外科学講座下部消化管外科
57神戸大学大学院医学研究科外科学講座食道胃腸外科学分野
58大阪公立大学消化器外科学
59関西労災病院外科
60国立病院機構大阪医療センター外科
61和歌山県立医科大学第二外科
62日本赤十字社和歌山医療センター外科
63滋賀医科大学外科学講座
64京都桂病院外科
65奈良県立医科大学消化器・総合外科
66奈良県総合医療センター消化器・肝胆膵外科
67姫路赤十字病院外科
68高知医療センター外科
69徳島大学消化器・移植外科
70岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
71倉敷中央病院外科
72県立広島病院外科
73広島市立広島市民病院外科
74山口大学大学院消化器・腫瘍外科
75岩国医療センター 外科
76島根県立中央病院外科・消化器外科
77九州大学大学院消化器・総合外科
78九州大学病院血液・腫瘍・心血管内科
79産業医科大学第一外科
80佐賀大学医学部一般・消化器外科
81佐賀県医療センター好生館消化器外科
82長崎大学大学院移植・消化器外科
83熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科学
84鹿児島大学大学院腫瘍学講座消化器・乳腺甲状腺外科学
85大分大学医学部消化器・小児外科学講座
86久留米大学消化器外科
87大腸肛門病センター高野病院消化器外科
88琉球大学大学院消化器・腫瘍外科学講座