現在おこなっている臨床研究 ~琉球大学病院第一外科で,現在おこなわれている臨床研究を掲載しています.

現在おこなっている臨床研究

当科を受診された皆様のご協力を頂き、下記の研究を行っています。
これらの臨床研究の対象者は当科への受診時または入院時に「診療後保管試料と診療情報の医学研究への利用に関する同意」文書について文面および口頭で説明させていただき、同意していただいた方々です。患者様の保管試料と診療情報がどのように研究利用されているかについての情報を公開しています。情報の掲載は琉球大学臨床研究倫理審査委員に承認された審査申請書または申請書を簡略化したものを掲載しております。これらの研究への参加は撤回可能であり、また拒否・撤回によって診療上の不利益は受けませんので、患者様ご自身の診療後保管試料および診療情報の研究利用に関する疑問点および利用拒否などの際には下記へお問い合わせください。

お問い合わせ先

琉球大学病院 第一外科 医局長
〒903-0215 沖縄県中頭郡西原町字上原207
TEL:098-895-1163 (医局直通)  FAX:098-895-1421
E-mail:r163geka%jim.u-ryukyu.ac.jp
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メール送信の際には、お手数ですが読み変えてください。

食道癌切除リンパ節における微小転移巣の臨床的意義

【研究の概要】

近年、通常の組織学的検索では同定できない微小癌転移巣を免疫組織学的手法や分子生物学的手法をもちいることで検出することが可能となってきています.これらの方法により検出される微小転移病巣と再発や予後との相関が報告されるようになり、予後予測因子として期待されています。
この研究の目的は食道癌手術後に癌が再発するかどうか、微小転移巣を評価することで予測可能かどうかを検討します。

食道癌切除リンパ節における微小転移巣の臨床的意義

Mieap不活性化が胃癌の生物学的特性へ及ぼす影響について

【研究の概要】

本研究では琉球大学で手術を受け摘出された胃癌の病理組織標本を用いてミトコンドリアの品質管理に関わるMieap遺伝子について研究を行います。Mieap遺伝子は異常なミトコンドリアが細胞内に蓄積しない様に機能していますが、癌との関連も明らかになって来ました。様々な癌でMieap遺伝子が不活化している事や、動物実験からも癌の進展に関わる事が分かって来ました。しかし、Mieap遺伝子の異常がヒトの癌にどのような役割を果たしているかはまだ分かっていません。そこで胃癌の病理組織標本を用いてMieapの発現と癌の進行度、転移、化学療法への反応性や予後との関連について検討します。 

Mieap不活性化が胃癌の生物学的特性へ及ぼす影響について

ロンサーフ(TFTD)使用症例の後ろ向き観察(コホート)研究(JFMC50-1701-C6)

【研究の概要】

ロンサーフ(TFTD)は切除不能・進行大腸癌における化学療法の三次治療として使用されます。過去の臨床試験(RECOURSE試験)では予後延長効果が示されていますが、実際の診療では治療中止や変更のタイミングを決定することが難しいのが現状です。TFTDの中止理由を後ろ向き観察研究により調査し、TFTDの効果を最大限にいかせる要因を明らかにしていきます。

ロンサーフ(TFTD)使用症例の後ろ向き観察(コホート)研究(JFMC50-1701-C6)

肛門管癌の病態解明とStaging(病期分類)に関する研究

【研究の概要】

肛門管は発生学的な理由で発生する癌の組織型が多彩ですが、大腸癌取扱い規約(規約)では腺癌を中心に分類されているため肛門管癌の特殊性に合致しない事項があるのが現状です。一方、海外の肛門管癌の分類は大腸癌とは別に分類されており、また、欧米では多くは扁平上皮癌であるのに対し、本邦でのアンケート調査では多くが腺癌でした。さらに、肛門管腺癌に対する主な治療は手術療法ですが、肛門管扁平上皮癌に対しては放射線化学療法が主体となってきています。今回の研究では、本邦における肛門管癌の病態解明とともに、肛門管扁平上皮癌の実際の診療に沿ったStaging(病期分類)を行い、その治療方針の提案を行うことを目的とします。

肛門管癌の病態解明とStaging(病期分類)に関する研究